分配原資とは?分配金の種類や配当金との違いを説明

トップページ > 商品の仕組み > まなべる資産運用 > 分配原資とは?分配金の種類や配当金との違いを説明

今回は、分配原資と投資信託における分配金の種類、分配金と配当金の違いを説明します。

分配原資とは

分配原資とは、分配金の元となる資金のことです。投資ファンドの場合、多くの投資家から集めたお金をまとめて、株式・債券・不動産などに投資をし、適切に運用をして得た成果を各投資家に分配します。この場合、投資ファンドが得た成果を分配原資といい、各投資家が受け取るお金を「分配金」といいます。

分配がある投資の代表例

分配金として利益を得ることができる投資商品として、代表的なものに投資信託があります。ここでは、投資信託の分配金がどのようにして生み出されるのかを見ていきましょう。

投資信託とは

投資信託とは、「運用会社」によって作られる金融商品で、通常は銀行や証券会社などの「販売会社」を通じて投資家に販売されます。運用会社は販売会社を通じて集めた投資家の資金を「信託銀行」に保管をして、「運用会社」の他の資産と投資家の資金を分別して管理します。

投資信託の運用会社はファンドマネージャーとして、投資判断や売買の指図を信託銀行に対して行い、信託銀行から株や債権、不動産などの市場に投資をします。

投資信託における分配

投資信託では運用会社の方針によって投資家から集めた資金を運用しており、その運用が成功して利益があれば、「分配金」として投資家にも利益が還元されることになります。

しかし、その運用が失敗して損失が発生してしまうと、その損失は投資家に帰属することになるため、期待した分配を得られないことがあります。

分配金にも種類がある

投資信託の分配金は、投資信託の財産から支払われることになります。投資信託の分配金には次の2種類があります。

  • 普通分配金
  • 特別分配金(元本払戻金)

「普通分配金」は、運用が成功して生じた利益から分配するものを言います。「普通分配金」は利益から生まれるため、課税対象となります。

「特別分配金(元本払戻金)」は資産を切り崩して分配するものを言います。元本払戻金(特別分配)では利益から分配されるものではなく、資産を切り崩して分配されるため税金は発生しません。

「分配金」と「配当金」の違い

「分配金」と「配当金」という一見同じようなイメージの2つのキーワードがありますが、具体的にはどのような違いがあるのでしょう?

分配金とは

主に投資信託の世界で使われる言葉となります。分配金をわかりやすく言いますと「投資している資産の中から捻出されるお金」です。分配金を支払うとその支払った分だけ基準価額(資産評価)が下がってしまいます。

配当金とは

主に株式投資の世界で使われる言葉となります。配当金はわかりやすく言いますと「企業が生み出した利益を株主に配当という形で還元するお金」です。企業は稼いだお金を「内部留保」して、事業の設備投資に使用することもありますが、稼いだ利益のほとんどを配当にまわす企業もあります。

分配金と配当金の大きな違いは使われる場面が異なることです。また、「配当金」は利益の中から投資家に還元されるものであるため直接的に資産評価額に影響しないのに対し、「分配金」は直接基準価額(資産評価)に影響を与えるものとなっている点も大きな違いとなっております。

分配の方法

投資信託における分配方法は運用会社の方針によって決まるため、様々なスタイルがあります。

分配の頻度

例えば、毎月分配型・3ヶ月ごと・半年ごと・中には「無分配」といった全く分配金を出さない投資信託も存在します。定期的な分配金が欲しい方、基準価額の上昇を目指す方など、投資家の好みに合わせて色々な投資スタイルが選択できるのです。

分配を意識した投資商品の選び方

今回は、投資信託を中心に分配についてご紹介しました。投資商品の中には利回り・リスク・流動性、それぞれが低いもの・高いものが存在します。

「ネームバリューがあるから」「利回りが高いから」といった表面的な部分だけではなく、「自身が深く理解できる商品か」「友人や知人に自信をもって紹介できるほど信頼できる商品か」などのことも踏まえて検討することが大切です。

最後に

今回は「分配金」を中心にその元になる「分配原資」についてご説明しました。重要ことをまとめると、以下のようになります。

  • 分配原資とは、分配金の元となる資金
  • 普通分配金は利益から捻出され、特別分配金は資産を切り崩して捻出される
  • 分配方法・頻度は運用会社によって異なるため、自分にあった投資商品を選ぶ必要がある

さらに、投資商品によっては分配金の受け取り方法にも違いがありますので、これから具体的に不動産投資などの資産運用をお考えになる際にはぜひ参考にしてみてください。

まなべる資産運用記事一覧へ