収益と利益の違いや収益性の変動要素を説明

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あなたは「収益と利益、どちらが大切か?」と聞かれたら、どのように答えるでしょうか。今回は収益と利益の違いや、どちらを重視するべきなのかを考えるために必要な収益性について説明します。

収益と利益の違い

「収益」と「利益」の大きな違いは、「収益」は入ってきたお金、「利益」は「収益」から「費用」を差し引いた手元に残るお金ということです。これだけではわかりづらいため、身近な事例に沿って説明します。

子どもにとっても収益と利益がある?

例えば、子どもが家族のためにおつかいに出たとします。300円で購入した品物と引き換えに、家族から500円のお小遣いを受け取ったとき、いくら”もらった”と捉えるでしょうか。500円でしょうか。200円でしょうか。

ここで重要なことは、品物を購入するにあたり300円の費用が発生しているということです。この場合の収益は500円であり、利益は費用を差し引いた200円となります。

また、品物の購入のほかに交通費が費用として発生していた場合は、その費用を差し引いた金額が利益となります。子どもが利益を増やしたい場合は、より低価格で品物を購入できるお店を探すか、お小遣いの引き上げを希望する方法が考えられます。

収益と利益、どちらが重要か

収益と利益のどちらが重要なのかは目的によって異なります。今回は企業の場合を想定して説明します。

企業の状況を見定める指標として使われる、「売上高〇〇円」という言葉は収益を指しています。消費者や他企業からの見え方を意識した場合、経営者としては「売上高」すなわち「収益」を上げたいと考えるでしょう。

一方で、経営資金を十分に確保してから収益や知名度を上げていこうと考えている場合、まずは利益を増やすことから考えるのではないでしょうか。

このように企業の経営状態や目的によって、収益と利益のどちらを重要視するかが異なるため、まずは目的を明確にすることが重要となります。

それぞれの異なる目線

2つの目線で、収益と利益のどちらが重要なのかを説明しました。前述した通り、一個人なのか企業なのか、立場や目的により求める指標は変わります。また、一括りに企業といっても、経営状況や会社の果たしたい目的により、収益と利益のどちらを重視するかは異なります。

子どものおつかいの事例で利益を増やしたいと考える根底には、「手元に残るお金を増やしたい」という心情が働いていると考えられます。一方で企業の場合には、「企業の利益が個人の利益」ということではないため、消費者の目線や企業評価を意識する必要があり、目的により方針が異なることを説明しました。

個人・企業いずれにしても、立場や目的により収益と利益のどちらを重要視すべきかが変わります。

収益性とは

次に、収益と利益の関係性により変動する、「収益性」について説明します。

「収益性」とは、いかに効率よく利益を得るか(得られたか)の指標であり、収益に対する利益の割合によって収益性が高いのか低いのかが分かります。

効率よく利益を得ることで収益性を高める

より分かりやすく2社の例で説明します。

300億円の収益をあげて15億円の利益を得たA社と、同じく300億円の収益をあげて20億円の利益を得たB社では、どちらがより効率よく利益を得ているでしょうか。

同じ収益のうち利益の割合が大きいB社のほうが、より効率よく利益を得ているといえます。

少ない費用で効率よく利益を得る。この「効率よく利益を得ること」を「収益性が高い」と表します。それでは収益性はどのように変動するのでしょうか。

収益性を変動させる要素

収益性は、収益と利益の値により変動し、利益は収益と費用の値により変動します。

高い収益性を目指すために費用を抑えたが、想定よりも商品が売れなかった場合は、収益性が低くなってしまう可能性があります。反対に、費用をかけて品質を高めることで商品が多く売れた場合は、収益性が高くなる可能性があります。

このように費用だけではなく、商品価格といった予期できる要素や、販売数といった予期できない要素など、多くの要素が関わって変動します。

収益や利益などのバランスが大事

収益を上げるための行動と利益を得るために費用を抑える行動の一覧表

上の表は収益を上げるための行動と、利益を得るために費用を抑える行動の具体例です。

ここまで説明した通り、収益、利益、費用、そして収益性というそれぞれの指標はバランスを保って成り立っているため、いずれか一つを意識すれば良いというわけではありません。それぞれのバランスを考え、目的に沿った行動を意識するのが良いと考えられます。

重要なことをまとめると、以下のようになります。

  • 収益は入ってきたお金、利益は収益から費用を差し引いて手元に残るお金である
  • 収益性は収益に対する利益の割合によって変動する指標である
  • 収益性を高めるためには、収益・利益・費用のバランスが大事である
  • 収益と利益のどちらが大切とは明言できず、目的に応じてどちらを重視すべきかを考える必要がある

一概に収益と利益のどちらが大切と明言することは難しく、目的により異なることを説明しました。あなたがビジネスを始めるときは、まずは自身の目的を明確にすることから始めることをお勧めします。

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